みなさんこんにちは。先日はハルガダに旅行に行ったり、その後すぐに引っ越したりと落ち着かない生活をしていたら、案の定3日間ほど寝込んでしまいました。
季節の変わり目というのもあるけども、やはり新しいところでの生活って見えないストレスがあって、疲れやすいんだなと痛感したところです。
3者合意
元気になった週明け、11/18に「3者合意」という会議がありました。
3者合意は国によって実施されるところと無いところがあるようで、名称も各国違うようですが、大まかに説明すると、JICAのボランティア担当スタッフさんが配属先に来て、配属先のカウンターパート(配属先のボランティアの担当者)とJICAと私との間で行われる3者面談です。
私が作成した、活動計画表について、問題がないか話し合い、配属先も、ボランティアも同じ問題意識を持ちつつ、残りの活動で何をしていくのか明確にし、”合意するミーティング”といったところでしょうか。
問題は問題じゃなくて、本当は別な問題がある?
活動計画表の主な内容としては、WEBのリニューアルや、FacebookなどのSNSの発信に注力していくといった所です。
計画表自体は9月中には作り終えていた為、前夜に再度活動計画表を見返していました。
活動計画を作った時もそうだったのですが、何となくちょっと引っかかることがあって、でもその“違和感”みたいなのが何か分からないでしました。
でも3者合意前夜に、活動を振り返ってると、何が違和感だったのかわかって来ました。そしてこれからやりたいことが明確になった感じがしました。
それをイメージにするとこのような感じでしょうか?
本来ならば・・・
なんですが、実際は問題は別なところにあって、技術移転ではななく、知識移転に注力して行きたいです。
今まで抱えていた問題
ではなぜこのような考えに至ったのか、説明したいと思います。
実は、配属先が抱える問題の一つに、そもそも“技術移転先がない”ということがあります。
現地スタッフのデザイナーがいないので、実の所、デザインを教えたりする相手がいないのです。
なので、私は現地スタッフのように働き、デザイナーとしてJICAからの人材派遣のようになっていました。
JICAボランティアの本来のミッションは“技術移転”なので人材派遣のようになっている状況を、JICAのスタッフさんも前々から心配はしてくれていて、私の配属先に「現地スタッフを雇うように働きかけましょうか?」といったお話しもありましたが、私としてはそれは“解決策”とは違う気がしていたんです。
確かに現地スタッフのデザイナーがいれば、仕事を分担して、新しいことに挑戦しやすいし、私にはわからないエジプト人のテイストを現地スタッフのデザイナーが表現してくれるので、新しく人員を雇うことは間違ってはいないと思います。
ただ、デザイナーって自分で手を動かして自分から技術を吸収していくものだし、そもそも私は美大を出たわけでもなければ、デザインに関して論理的に語れる力があるわけでもなくて、日本で半年間webスクールに通って2年ほどディレクションと、デザインを現場で学んだだけなので、もしかしたら5,6年のキャリアの人が採用されてきたら、むしろ私の方が学ぶことだらけじゃん!?という感じでした。
そもそも今はインハウスデザイナーなので、制作会社のように、毎日納期と制作物に追われるというわけではなく、そんなに大量に作るものもなければ、死ぬほど忙しいわけでもない。なんなら、配属先はプロジェクトごとの予算はあるので、案件によっては外注でデザインを頼むことも可能。(実際、私いなくても成り立つ。。。)
そんな状況の中、半年間、配属先唯一のデザイナーとして日々頑張って来たのですが、
一人で頑張ってることが大変なのではなくて、デザインを依頼してくる、プロジェクトマネージャーや、プロジェクトリーダー、資金調達チーム等といった、バックオフィスで業務をこなす人たちが、デザイナーに明確、的確な指示をだせていなくて、ディレクター(配属先スタッフ)の知識不足が故に、デザイナーと意思疎通を取ることが難しいことが大変だと気づきました。
もちろん、指示役がどんな人でも、最高のデザインをするのがデザイナーの仕事だとは思うけど、
デザインを生かすのも、殺すのも、ディレクターの指示次第と私は思っています。
各部門のディレクター達は勿論デザインを学んだことがないので、詳しいことがわからないのは当たり前なのですが、
仕事を進めていく上で最低限知っておいた方がいいビジネススキルもままならない所が多々、デザイナーに指示を出す為に知っておくべき知識は皆無といった状況でした。
いくつか例をあげるとすると
- 指示が全部口頭
- ベクターデータが何かわからない
- ロゴの取り扱いルールをわかっていない
- 制作手順を知らない
- 納期から逆算して仕事が進められない
- チェックする人が日によってまちまちで、それぞれがそれぞれの想いをストレートに言ってくる
- 確認用に回したJPGデータを入稿データとして送っちゃう(ぎゃっ!!!!)
- 文字の間違いが多い
- 表記揺れが激しいなどなど…
例をあげるとキリがないのですがこんな感じです。
確かに、こんなこと知らなくても、デザイナーが汲み取って仕事をすれば問題ないし、物事なりたってるので一見問題なさそうですが、外注するときも、明らかに外注デザイナーと意思疎通がうまくいっていなくて、担当者がイライラしてるのがわかるし、何度もデザインの修正依頼をしていて時間もかかってる。
でも、ちょっとしたデザイン「知識」があるだけで、その無駄なイライラや、何度も何度も時間を取られるデザイン修正依頼も全部カットできて、みんながもっと大事な本来の業務に時間費やせるじゃん!!って思ったんです。
なにより、私自身が、いままでデザインとは全く無関係のキャリアを積んで来たけど、途中でキャリアチェンジして、
デザインについて学んで、知識を身につけた時、一番強く感じたのは、「この知識、普通のキャリアでもすごく使えて、これを知っていたらもっともっと仕事がしやすかっただろうな。」ということでした。
デザインの色味がどうとか、黄金比がどうとか、私もペーペーだから全然わかんないし、そこ頑張ったところで、やっぱりエジプト人好みのデザインできるのには時間がかかりそうだし、色々頑張って作っても、所長の鶴の一声で全てが覆されちゃったりもする。
だから細かいデザインクオリティーにこだわるよりも、この組織に沢山いる指示役のディレクター陣が、今後インハウスなり、アウトソーシングなりで関わるデザイナーに、明確な指示を出していくことが、ローカルデザイナーがいない今、大事なことだと思ったんですね。
そして私自身、デザイナーっていうよりも、んー、ちょっとしたデザイン知識があるワーカーって感じで、元々は何の知識もなかった、だから、みんなの気持ちがわかるってところはある意味強みだと思うから、みんなに寄り添って、みんながストレス感じないでデザインディレクションできるように“知識の移転”をしていきたいって考えました。
活動計画表は細かいこと色々書いたけど、最終的に、WEBがリニューアルされたとかされないとか結果にはこだわらず、(結果がでれば最高ではあるけども)“技術移転”ではなく“知識移転”に重点を置いていこうと思います。きっとなかなか上手くいかないことばかりだけど、とりあえず今は、何が問題か自分の中でわかった“納得感”がいい感じです!!